趣旨
農業従事者の高齢化と減少、地球温暖化への対応など農業が直面する多様な問題を解決するためには、データを活用した農業の効率化、高付加価値化が必要とされています。しかし、生産現場において、どのような「データ駆動型農業」に取り組まれ、どういった課題が明らかになっているのかを議論する場は、これまで限られていました。このため、その普及拡大に向けて、関係するステークホルダーがとるべき具体的対応は、必ずしも明確とはなっておりません。
農研機構は、様々な農業データの連携と活用を図る目的でWAGRIを運営していますが、こうした取組みの内容や農業におけるデータ活用について、広く農業やICTに関係される方々と情報や意見を交流する場として、WAGRIオープンデーを企画しました。本年度は、~生産者が語るデータ駆動型農業への取組みと課題~ と題して、「データ駆動型農業」を実践されている農業者から、実施内容、課題といった現場の状況や、ICT関連企業および研究機関などのサービス提供者に望むことを講演いただきます。あわせて、「データ駆動型農業」を更に普及させるには何が必要となるかなど、広く農業者、ICT関連企業、その他の農業関係者の参集により議論します。
主催
WAGRI運営事務局
開催日時
令和4年7月28日(木曜日)13時00分~17時00分
開催場所
オンライン配信
参加対象
農業者、ICT関連企業、データ駆動型農業に関心を持たれる行政および普及・指導機関などの関係者
内容
13:00 開会挨拶 農研機構 理事 兼 農業情報研究センター長 中川路哲男
13:10 講演Ⅰ 「スマート農業の現状と今後の方向性」 農林水産省大臣官房政策課技術政策室
13:25 講演Ⅱ
「サラダボウルグループのData Driven Managementについて」 株式会社サラダボウル 代表取締役 田中進
概要:サラダボウルグループの「digitization(業務の一部をデジタル化)からdigitalization(経営そのものをデジタル化)へ」の取り組みをご紹介します。
「データ駆動型農業の現場での取組みと課題」 株式会社ふしちゃん 代表取締役 伏田直弘
概要:労務費、生産資材や出荷資材等の費用が、年々増加しているが販売単価へ転嫁できない状況が続いているため、製品率の向上、収量増、コスト削減を狙い、IOT技術を少しとり入れはじめたが十分な効果を発揮しているとはいいがたい。その現状と課題について、具体的にご紹介します。
「JA西三河きゅうり部会のデータ駆動型農業への取組みについて」 JA西三河きゅうり部会 改革プロジェクトサブリーダー 下村堅二
概要: JA西三河きゅうり部会が栽培技術向上のために行ってきたデータ活用について農家の視点でご紹介します。R1年度、R3年度スマート農業技術の開発実証についても取り組み内容をご紹介します。
「家業から事業へ」 せんとうふぁーむ 代表 仙頭明伸
概要: H21に実家のナス栽培を手伝う形で就農。しばらくは先の見えないトンネルのように栽培スキルもない、権限もない、知り合いもいない、やる気も起こらない状態でしたが、H26年に、地元先進農家が主体となる「あき新施設園芸システム勉強会」に参画したことで、大きな転機がありました。データ駆動型農業とやる気のあるメンバーと出会い、今があります。選ばれる農業、次世代へ繋げる農業を目指しています。
「IoP(Internet of Plants)でつながる「人」と「情報(データ)」と「創意工夫」」 高知県農業振興部IoP推進監 岡林俊宏
概要:高知県では、H25年度から「経験」と「勘」に頼る農業から、情報(データ)に基づく農業への転換を進め、ナスやピーマンなど主要7品目においては57%の農家(約1,500戸)にまで普及しています。そこで、IoPクラウド(SAWACHI)を構築して、データ農業を実践する農家の皆様の様々な圃場データや出荷データや気象・市況情報などを一元化し、各々のデータに基づいて有益情報としてフィードバックするしくみを構築。その概要をご紹介します。
15:30 講演Ⅲ 「WAGRIの運⽤状況」 農研機構企画戦略本部データマネジメント管理役兼WAGRI推進室長 川村隆浩
15:50 パネルディスカッション 「データ駆動型農業をもっと普及させるには」
モデレーター:農研機構企画戦略本部データマネジメント管理役兼WAGRI推進室長 川村隆浩
パネリスト:
株式会社サラダボウル 代表 田中進
株式会社ふしちゃん 代表取締役 伏田直弘
JA西三河きゅうり部会 改革プロジェクトサブリーダー 下村堅二
せんとうふぁーむ 代表 仙頭明伸
高知県農業振興部IoP推進監 岡林俊宏
日本電信電話株式会社 研究企画部門 食農プロデュース担当部長 久住嘉和
17:00 閉会
参加費
無料
定員
500名 (先着順。定員を超えた場合、お断りする場合があります。)
申込方法
7月22日(金曜日)正午までに、下記URLよりお申し込みください。
WAGRIオープンデー2022参加申し込み (https://prd.form.naro.go.jp/form/pub/naro01/application)
問い合わせ先
WAGRI運営事務局 wagri@naro.affrc.go.jp